股関節屈筋群の使い方(下行性運動連鎖)

先日、たまたま見ていたテレビ番組で、呼吸しながら腸腰筋のトレーニングをしているのを拝見しました。その指導者が教えているのは、足腰が悪く立つのもやっとの高齢者でしたが、その後トレーニングの成果で歩くこともでき、筋骨格系の回復プラス認知症の予防など行動範囲も広がり、いいことばかり目立つ印象で放映されていました。

確かに、腸腰筋の筋力アップは、そのような効果があると思います。その指導者も様々なリスクを考えて行っていることと思われます。

ただ見ていて思ったのは、こうような番組構成は、視聴者に良い影響ももちろんありますが、悪い影響も与える可能性もあると思うのです。

この手の情報ではよく『*個人の感想です。』というテロップが目立たないように出ていますが、視聴者は「テレビで効果あると言っていた同じエクササイズをすれば自分の障害にもいいはずだ」と安易に考えがちになります。もちろんポジティブな思考を与える上ではいいのですが、今回のようなゴールデンタイムの番組内でゲストたちが一緒にエクササイズをして、良さそうな印象を与えると、視聴者はそのエクササイズを信じてすぐ行動される方が多いのではないでしょうか?

 今回放送されていたエクササイズも、やり方を間違えると違う障害の原因になることも考えられます。ちなみに足を上げるという動き=股関節屈筋群の代表的な筋群と言えば大腿四頭筋と腸腰筋になります。しかし、この足を上げる動作では、腸腰筋を鍛えたいと思って行っている場合でも、実際に働いているのが大腿直筋だったりする場合があります。

股関節屈筋群

これは、骨盤から股関節への連鎖で違った動きが起こります。専門的に言うと『下行性運動連鎖』と言います。これは骨盤が後傾した状態では、股関節は外旋し、骨盤が前傾気味で行うと股関節は内旋するという運動連鎖です。すなわち、もし視聴者が少し猫背気味で足挙げを行えば、骨盤が後傾し腸腰筋が働きにくくなり主に大腿直筋などを使うことになってしまいます。

するとその後、運動連鎖が崩れることになり、様々な障害の原因になる可能性もあるのです。

僕自身も施術中にこの運動連鎖については、一人一人の動きを見ながら行ってもらっています。大半の方は、見て真似してもらうだけでは間違った使い方をしてしまうからです。テレビ番組のオススメエクササイズには、もう少し注意を促してから放映してもらいたいものです。

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