足首捻挫の後遺症

足首を捻挫した後には、靭帯の修復のために固定が必要不可欠です。

重度によりますが、ギブスから包帯やテーピングなどによる固定です。

捻挫は2週間から1ヶ月の間には、改善に向かうことが多いのですが、靭帯が修復した後に痛みや機能障害が残る症例があります。

この足首捻挫の後に起こる後遺症として考えられるのが、脛骨と腓骨を結ぶ前脛腓靭帯の損傷による関節遠位に置ける離開です。

脛腓関節イラストjpg

この関節離開が起こると、足首の可動性が著しく低下します。底屈、背屈、回旋など様々な動きで痛みが伴い、可動範囲が狭くなります。また歩行での痛みが出現するため、歩行相も乱れます。人から見て、「足大丈夫ですか?」と言われる歩行になってしまいます。(この歩き方はペンギン様歩きと名付けます。)

 一般的な内反捻挫で起こる足首外側の靭帯(前距腓靭帯など)の固定を第一優先し、治りが悪い場合は、この前脛腓靭帯の損傷を疑ってもいいかもしれません。特に扁平足や足底アーチが消失している人が捻挫になって、長期固定した場合に起こる可能性が高いのです。

この関節離開が起こった場合には、膝下のむくみがひどくなってきます。歩行で腓腹筋や前脛骨筋などを使うと痛みを伴うので、自然とペンギン様歩きになってしまうからです。このペタペタ歩く歩き方は、雪道では重宝されますが、下腿筋群を使わないので、心臓ポンプが働きにくくなるのです。歩いて筋肉を使うと痛む→むくむ→より歩きたくなる→靭帯のゆるみは悪化→余計に治りが悪くなる

という悪循環に陥ります。

足首捻挫は固定後、後遺症を起こさないようにするには早期の適切な処置が重要です。

 

*ご自分でもできるチェック方:足首の外くるぶしと内くるぶしを横から締めるようにしてみてください。左右の足を比べて、関節離開があると遊びが大きく、横に広がっているのが感知できるかもしれません。また状態によっては痛みが伴います。

*先ず、治りの悪い捻挫は整形外科にて検査(レントゲンなど)してもらうといいでしょう。

*脛腓靭帯の損傷を判断する一つの方法として外旋ストレステスト(External rotation test)があります。患者を椅子に座らせ膝を90°屈曲位にし、検者は片方の手で下腿の近位を把持し、もう一方の手で足関節中間位で足部を外旋させます。陽性反応では患部に痛みが出現します。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

フォローする


コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です