女性に多い「反り腰」の検証
今回は、女性によく見られる「反り腰」について検証してみます。
図1のように腰を反らせて体重を腰に載せる方を多く見かけます。
例えば、電車を待つ時、コンビ二で立ち読みする時、普通に気を付けの姿勢をとった時等様々な場所で、よく見かける姿勢だと思います。
実はこの姿勢(反り腰)が原因の腰痛は、子供から年配の方まで幅広い層で
年々増え続けています。
この姿勢が腰に及ぼす影響を図解にて説明いたします。
図1:よく見られる3種類の反り腰での立ち方です。
図2:腰部を横からみた図です。腰椎と腰椎の間には椎間板があり、クッションの役割をしています。(赤○で囲った部分を拡大した図3)
図3:腰部の一つのユニットです。「反り腰」の機能的な問題は以下のように発生すると考えられます。
重力がかかるため腰には上から下への負荷がかかります。
1.その重力の軸が後方にあると、腰のカーブは反りが強くなります。(ハイヒール履いた時をイメージしてください)
2.反りが強くなることにより腰の前方部分を覆っている前縦靭帯は伸ばされ過緊張を起こしさらに伸展するのを嫌がり収縮する力が働きます。
3.その力は腰のクッションの役割をしている椎間板内の髄核を内側(お腹側)に押し出す力が発生します。そして神経に触れる可能性が高まります。
4.また椎間関節がぶつかるので余計に椎間孔(神経の通る孔)を狭くし神経への刺激は更に強くなる可能性がでてきます。
以上が「反り腰」によく見られる一般的な機能障害です。これは、妊婦の姿勢でもあり、産後の子供を抱っこするお母さんの姿勢でもあります。また、ハイヒールを履いた時も自然にこの「反り腰」になっているのです。最近では、前々回の姿勢の匠ブログ(症例報告:小学生の内股歩行の治療)でも取り上げたように子供にも多い障害です。
特に腹部深部筋(腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜)が弱いとこの「前縦靭帯」に伸張の力が増大するので症状は悪化する可能性が高まります。
「反り腰」による症状:
・腰痛
・坐骨神経痛(脚のシビレ痛み)
・股関節痛(お尻の痛みも含む)
・上向きで寝にくい、上向きで寝ると腰が浮く。
・朝身体が固まり、洗顔の際に前屈がつらい。
・首こり・肩こり・背中のこりや痛み(背骨のアライメントの崩れから)
見た目の変化(容姿の変化):
・垂れお尻
・ポッコリお腹(下腹が出る)
・O脚もしくはX脚
・外側太ももの増大
・猫背
・ストレートネックなど
上記のような症状がある方は、早期に専門家にご相談する事をお勧めいたします。
KIZUカイロには様々な「反り腰」の患者さんが多く来院していますが、共通して言えるのは立った時、反り腰にするのは、筋肉を使わないで「関節に載せている状態」だから楽に感じるのです。
ところが、これは筋肉は働かない代わりに、関節や椎間板等の組織に負担をかけているのです。
反り腰は早い段階であれば、症状も軽く早期に改善できます。
しかし、この姿勢が何年も染み付いた方は症状が重くなり治すのも時間がかかるのです。
近年は、反り腰と骨盤の後傾が共存する方が増えています。
骨盤が後傾し、お尻が垂れるので、骨盤を立てたいのですが
骨盤は立てることができないので、その代わりに腰を反らすのです。
次回は、この「お尻が垂れる理由?」について解説いたします!
参考:姿勢の匠ブログ記事