五十肩の原因考察と施術方法
五十肩の原因考察と施術方法
一般的には、四十肩とか五十肩と呼ばれていますが
専門的には肩関節周囲炎、frozen-shoulder(凍結肩)
などと言われます。
五十肩は治りにくく、完治まで時間がかかると言われている障害の一つです。五十肩の患者さんは、今までにも多くの方が来院されましたが、劇的に変化したのは2例ほどで、その他の症例は6ヶ月〜1年間かかるのが普通でした。しかし、最近は経過が良い方が増え今回の例も含めて、その期間が3ヶ月から4ヶ月で改善する例が増えてきました。その早期に改善した五十肩の症例ケースです。
60代 女性 事務職
動画は、 7月26日 → 11月10日
での屈曲でのBefore-After です。
この動画では、それぞれ、はじめに右肩を上げてもらい、
次に両手であげてもらっています。3ヶ月半前まではほとんど挙がらなかった
肩がだいぶ上がるようになっています。
一般的に、五十肩は「急性期」「慢性期」「回復期」の3つの段階を経ます。
急性期では、痛みが強く夜間痛もあり、じっとしていても痛みます。
動かすと激痛の場合もあります。
慢性期では、夜間痛も消え、動かすと痛みが増強します。
回復期では、可動範囲はかなり狭まり、
固かった感じで、無理した動きをしなければ
日常過ごすことができます。
今回のケースは急性期から慢性期への移行期でした。
急性期では、痛みを伴う動作が多いので細心の注意が必要です。
五十肩の施術で重要なのは、「痛みを伴う施術・体操をしない」です。
また、発症メカニズムを考察する上で大切なのは、
インピンジメント(挟まれる)です。
これは、スポーツ選手などで多く発症する
「肩インピンジメント症候群」という障害もありますが、
五十肩もそのインピジメントが起こることにより発症している
事が多いと推測しています。
以下のイラストの腱峰部分にある烏口肩峰アーチに
上腕骨の骨頭がぶつかる、もしくは狭まることにより起こるのが
インピンジメントです。
その発症理由ですが、形状や骨棘の形成などの理由もありますが
一般的な発症メカニズムとして考えられるのは
アウターマッスルとインナーマッスルの筋肉の作用だと思います。
上のイラストの赤い矢印はインナーが働いた場合の力の方向です。
一方、青色の矢印がアウターが働いた場合の力の方向です。
上腕骨頭が青色の方向に向かうと
屋根(烏口肩峰アーチ)との間が狭まります。
また、インナーマッスルを使い
赤字の方向に向かえば、上腕骨頭は、
その場で回旋するので、狭まりません。
これが、インピンジメントのメカニズムだと考えます。
(もちろん両方とも大切な筋肉であることは言うまでもありませんが)
そこで今回のケースでの施術では、
★アウターを使わせないようにすること
★アウターの筋群の緊張を取り除く事
★インナーを使わせる事
この順番でアプローチしていったのです。
またその時に重要なのは、肩甲骨の位置です。
最近多いのが肩が前に巻き込む、「巻き肩」の方が
多く、この状態ですと、よりインピジメントになりやすいのです。
そして、日常生活でアウターを使わないように
させるのが早期改善への近道と考えます。
以下、この五十肩の女性からの感想文を添付させていただきます。