ストレートネック研究
何回か、このブログでも取り上げている
ストレートネックですが、今回はレントゲンでの状態を
検証してみます。
なぜ人はストレートネックになってしまうのか?
人間の背骨は、以下の写真のように
頸椎(首の骨)は7個、胸椎(背中の骨)が12個、
腰椎(腰の骨)が5個で構成されています。
そのうち、頸椎(7個)と腰椎(5個)
を合わせた12個は前への凸カーブ、
胸椎12個は後ろへの凸カーブです。
その12対12で拮抗したバランスになります。
そのバランスは、筋肉で支えられて成り立っています。
例えば、座った時に、猫背姿勢になると、この拮抗バランスが崩れます。
なぜなら顔の位置が前にくるからです。
そして前傾になればなるほど首のカーブは
ストレートや反対カーブにならなければならなくなるのです。
その顔を前に出した状態が長くなれば
「誰でもストレートネック状態になっている」
と言っても過言ではないのです!
このストレートネックの研究を
聖路加国際病院・整形外科医 辻先生のご協力のもと
レントゲン撮影で検証してみました。
はじめに、下の写真ですが、一見
首の前へのカーブがあり正しい姿勢に見えると思います。
しかし、この時の姿勢は背中を丸めて悪い姿勢で撮影しています。
こちらは一見、ストレートネックのように見えます。
しかしこの一見ストレートネックに見える姿勢は、首を安定させる
頚部深層筋を働かせています。
次に、同じ人が少し前傾しパソコンをする姿勢をしてもらいました。
明らかに、首がストレート状態になり、頭を支えるのに
筋肉の負担が高くなり大変そうです。
上の3枚の画像は、全て無症状の同じの方です。
結論:
姿勢によって、いくらでも首のカーブは変えられるので
ストレートネックと診断されても、
1.首を後ろに反らせて痛む
2.首の可動域が狭い(左右に向ける範囲が狭い)
3.慢性的な首や肩の凝り
これらの状態でなければ、X線のストレートネック像は
あくまで「ストレートネック」な状態であり
全てのストレートネック画像が悪い状態を示したものではないと言える。
考察:
背中を丸めて猫背で撮影した時に「ストレートネック」であり
上記の3つの症状があれば
これは、『ストレートネック状態』による障害と推測されます。
ストレートネック状態が、立った時にリセット(元に戻れば)されれば
問題はないのですが、立ってもこの状態がリセットできなくなった
状態になると、様々な障害が出現する可能性があるのです。
次回は、このストレートネック状態で障害が出るメカニズムと
改善方法について検証してみます。